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゜。・*新番組予告!*。+’




ある日突然地球に現れた巨大クレーター。そのクレーターから突如出現した謎の生命体「オルヴォーン」。彼らは生命を食い荒らし、地球の生態系の頂点を人間から奪い去るべく、人々の街を襲い始めた。
オルヴォーンは襲った街に住む人間を圧縮カプセルに封じ、その生命エネルギーを保管していた。
そして恐るべきことに、オルヴォーンは驚異的なスピードで学習、知能を急成長させるという能力を持っていたのだ!
オルヴォーンはその知能を急成長させ、ついには人間を凌ぐ知能を手にしてしまう。全てにおいて人類を超越するオルヴォーンの脅威から人々を守るべく、国際総合防衛連合・通称「ISDU」に、6人の少年少女が招集された。
地球上のあらゆる脅威に対抗すべく、各国の若きエリートファイター達。
一方で、オルヴォーンも強大な勢力を総統する王が出現。彼らの戦い……その行く末を見守る、「世紀末覇者」を名乗る謎の男……。そして……



















上北真里の元に一通の手紙が届く。送り主はかつての隣人、田崎孝一。彼からの手紙にはこう記されていた──。



ごめん、俺も現実に勝てんかった



※以下、真里の独白です。

その時あたし決めたんだ。少し怖くて、不安もあったけど、でも、あたしがやらなきゃだめなんだって。みんなを守るのがあたしの役目だもん。もう高校生なんだから、覚悟決めなきゃっ!
「今度こそ……強くなったあたしを見せるんだから!」
机に横たわる、長きに渡り「その時」を待っていた一つの武器を手に、あたしは戦場に向かった──。



「性懲りもなくまた現れやがったか」
「今日こそあたし達の風呂場を返してもらうよ、便所コオロギ!」
目の前には、あたしの家の風呂場に我が物顔で居座る、成人男性ほどの背丈の便所コオロギ。
「待ってたぜお嬢ちゃん。新しい武器も一緒か」
「あなたを倒すために、この封印を解いたんだよ……さあ、死にたくなかったら、おとなしく隣の便所コオロギマニアのムッシメ・ズールーさんのとこに行きなさい!」
「悪いな。俺はこの風呂場が気に入ったんだ。俺も簡単に引き下がるわけにはいかない……だが、それはお前も同じなのだろう?」
「なっ、何が言いたいのさ!?」
「こんな狭い場所じゃまともに武器も振るえまい!この俺が最高のステージに案内しよう!トォーゥ!」
「きゃっ!?」
二人がワープした先、そこは巨大な戦場、ユニットバス・コロシアム!血で血を洗浄する戦場、そこに情けな無用!さぁ、思う存分戦えぇぇっっ!!!!!111
「な……なんなのここ……?」
「ここは多くの便所コオロギと人間が、風呂場の所有権をかけて戦った伝説のコロシアム!さあ、ここで戦えることを光栄に思いつつ、戦うぞ!」
「え、ちょっ、まっ……」
「スーパーコオロギウェーブ!」
「きゃあーっ!」
「さらに行くぞ!超高速回転スパイラルイリュージョン!」
「いぁぁっ!」
「どうした?せっかく用意した武器も飾りのまんまか?」
「なめないでよ……あたしは、あなたを倒して、風呂場を取り返す!オリハルコンフライパンアターーック!」
「ふんっ!」
「そんな!オリハルコン製フライパンが……止められた……」
「そんな武器が通用するか!」
「い、いや……!」


そんな……あたし、やっぱり勝てないの……?
やがてあいつに家を支配されて、あたしはあいつの言いなりになって……考えるだけ鳥肌が止まらない。
「これでトドメだっっ!!」
「…………!」
パピィ、マミィ……ごめん……!
「……むっ!?」


その瞬間、一筋のレーザーが、真里の目前に!


「ぐはァッ!!」
「えっ!?」
真里の目の前で、突然便所コオロギが倒れた。一体何でさ!
「ねえ!何であたしを庇ったの!」
「なぁに、戦いに水を射されるのが気に食わねぇだけのことだ」
「だからって……」
「そんなことより、見ろ。キバトカハエテール星人がやってきた。奴らはこのコロシアムを自分たちのものにする気だ」
「じゃ、じゃああたしも戦うよ!」
「やめな……奴らのパワーは半端ない。力のない奴が挑んだところで勝てる相手じゃねえ」
「あたしのこと馬鹿にしないでよ!」
「無理なもんは無理だ!いいか、ここで死ぬのは俺だけで十分だ」
「ど、どうして……」
「俺は今までいろんな風呂場を渡り歩いてきた。人間と争う傍ら、俺は考えていた。いつか、俺たち便所コオロギと人間が風呂場をはじめとした数々の民家の機能を共有し、平和な世界を実現できないかとな……。だが、俺たち便所コオロギは所詮害虫。人間には気持ち悪いと罵られ、そして追い払われる。気づいたら俺たちは戦う力を身に着けていた……これじゃだめだとわかっていつつも、俺たちも戦うしかない。……すまねえな。俺は便所コオロギだ。精いっぱい戦い、散るときはあっけなく……虫ってのはな、そうやって死んでく奴ばっかだ」
「そんな……そんな悲しいこと言わないでよ!ねえ、一緒に逃げようよ、うちの風呂場も、家中好きなように使っていいからさ、ねえ逃げようよ。そして、今度は一緒に暮らそうよ。それが、それが願いなんでしょ!?」
「へへっ……あんがとよ……でもな。必要以上の犠牲は出さねえよう尽くす主義だ。誰かが止めないとよ、奴らの脅威は止められねえんだ……お前は生きろ……」
「やだっ……」
「ほら、元の世界へのゲートを開いた!さあとっとと行け!」
「だめっ──」




まばゆい光に包まれ、気づいたらあたしは風呂場に横たわっていたんだ。








あれから、5か月。それまで仕方なく近所の銭湯に寄っていたけど、今はちゃんとうちの風呂場を使えている。
うちには平和が返ってきた。ただし、その代わりに何かが消えた。
前まであんなに求めていた、風呂場の所有権。なのに、嬉しくない。あんなにいなくなってくれと思っていたあいつが、今では恋しくてたまらない。
そして、またあのコロシアムに行こうと、どうにかしていろんなことを試みた。でも、全部だめだった。


風呂に入るわけでもないのに、あたしはしょっちゅう風呂場に向かう。いつか、風呂場にあいつがケロッとした顔で戻ってきてくれるような気がして……。



誰もいない、沈黙する風呂場で、あたしの泣き声が静かに響き渡る……。手に零れる涙が、痛くて痛くてたまらない。









そんな悲劇のヒロインに、私はなりたい。









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